はじめに
この記事は以下のような人をターゲットとして執筆しております。
・ポケモンの育成仕様をこれから学んでいきたい初心者の人
・「種族値」「個体値」「努力値」「実数値」について調べたけど、難しくてよくわからなかった人
本記事では各仕様のイメージを特に大事にして記載していますので、是非とも読んでいただけると幸いです。
前提
・「種族値」「個体値」「努力値」「実数値」という単語は非公式用語です。
・新しめのソフト(Switch以降)の仕様をベースに記載しております。
・ピカブイ、レジェンズアルセウスはステータスの仕様が異なるため、本記事では対象外としています。
・特に初心者の方の混乱を防ぐため、各ステータスの略称として用いられる「HABCDS」は本記事では使用しておりません。
①種族値
種族値ってどういうイメージ?
この世にはあらゆる種類の動物がいますが、それらはみんな同じ能力(力、スピード等)を持っているでしょうか?
そんなことはありません。動物によってそれぞれ能力に違いがあり、それぞれ独自の特徴を持っているはずです。
簡単な例を見ていきましょう。
【例1】 ライオン
百獣の王と呼ばれるライオンですが、狩りを行うイメージの通り「力」と「スピード」が非常に優れています。
つまり、言い換えれば「攻撃力」と「素早さ」に優れている動物であると言えます。
【例2】 亀
甲羅が特徴的な亀ですが、見た目の通り甲羅により外敵からの防衛能力に優れています。
また、亀はイメージ通り歩くスピードが非常に遅い動物です。
以上のことから、言い換えれば「防御力」は優れているが「素早さ」は非常に遅い動物であると言えます。
上記の例の通り、動物が持つ能力は動物の種類によって違いがあり、それぞれ独自の特徴を持っていることがわかると思います。
このような、動物の種類(種族)ごとに決まっている能力値のことを「種族値」と呼びます。
上記の例だと、ライオンの種族は「こうげき」「すばやさ」が高いような種族値をしており、亀の種族は「ぼうぎょ」は高いが「すばやさ」が低いような種族値をしている、といった形になります。
ポケモンのゲームにおける種族値
では先程のイメージをポケモンの世界に置き換えてみます。
先程のイメージと同様、ポケモンのゲームではポケモンの種類によって種族値が定められています。
そして数値が大きいほど、能力値は高くなります。
例えばピカチュウは上記画像のような種族値をしており、「すばやさ」に優れたポケモンであると言えます。
またルカリオの種族値を見ると、「こうげき」「とくこう」に優れたポケモンであると言えます。
加えて、ルカリオは全体的にピカチュウより種族値が高いこともわかります。
種族値の確認方法
実はゲーム内では、ポケモンの種族値を直接確認する方法はありません。
というのも、種族値は隠しパラメーターとなっているからです。
確認したい場合は、インターネットで検索することで確認してください。
(ただ後述の実数値を理解することで、種族値を計算して求めることはできます。)
②個体値
個体値ってどういうイメージ?
同じ人間・同じ動物なら、生まれつきみんな同じ能力を持っているでしょうか。
そんなことはありません。同じ人間・同じ動物でも、生まれつきの能力にはそれぞれ違いがあると思います。
簡単な例を見ていきましょう。
【例】 生まれつき
子供の頃、なぜか周りにこんな子いませんでしたか?
A君:筋肉質で力が強い
B君:足が速い
C君:スタミナがある
言い換えれば、生まれつきA君は「攻撃力」、B君は「素早さ」、C君は「HP」に優れた人であると言えます。
上記の例の通り、同じ人間・同じ動物でも、生まれつきの能力にはそれぞれ違いがあることがわかると思います。
このような、個体ごとにあらかじめ決まっている能力値のことを「個体値」と呼びます。
上記の例だと、生まれつきA君は「こうげき」、B君は「すばやさ」、C君は「HP」の個体値が高い人である、といった形になります。
ポケモンのゲームにおける個体値
では先程のイメージをポケモンの世界に置き換えてみます。
先程のイメージと同様、ポケモンのゲームでは捕まえたポケモンの個体ごと・ステータスごとに個体値が定められています。
各ステータスの個体値は0~31の32段階で設定されており、数値が大きいほど能力値が高くなります。
なお、レベルアップや進化で個体値が変わることはありません。
例えば、「こうげき」の個体値が15のピカチュウもいれば、31のピカチュウもいます。また「すばやさ」の個体値が27のピカチュウもいれば、7のピカチュウもいます。さらには「こうげき」「すばやさ」の両方の個体値が31のピカチュウもいたりします。
個体値の確認方法
世代や作品にもよりますが、最近のソフトではボックスでの「ジャッジ機能」にて確認することができます。
この機能では各個体値を以下のように表示しています。
作品 | 機能の解放方法 |
---|---|
剣盾 | シュートシティ上部のバトルタワーでモンスターボール級になる(シングル・ダブルどちらかでOK) |
BDSP | ファイトエリアのバトルタワーのパソコン付近にいる研究員と話す |
SV | エンディングを迎えた後、ポケモンセンターで回復する |
文章 | 個体値 |
---|---|
きたえた! | 31 |
さいこう | 31 |
すばらしい | 30 |
すごくいい | 26~29 |
かなりいい | 16~25 |
まあまあ | 1~15 |
ダメかも | 0 |
※「きたえた!」は後述の王冠を使用して個体値を上げた場合に表示されます。
個体値の上げ方
「きんのおうかん」「ぎんのおうかん」を使って「すごいとっくん」をすることで、個体値を最大値31に上げることができます。
アイテム | 画像 | 効果 |
---|---|---|
きんのおうかん | 全ての能力の個体値を最大値31に上げる | |
ぎんのおうかん | 任意の1種類の能力の個体値を最大値31に上げる |
作品 | すごいとっくんの場所 |
---|---|
剣盾 | シュートシティ上部のバトルタワーにいる男性 必要レベル:100 |
BDSP | ファイトエリアのバトルパークのポイント引き換えコーナー2Fにいる男性 必要レベル:100 |
SV | フリッジタウンのポケモンセンター付近にいる男性 必要レベル:50 |
個体値の遺伝
個体値はタマゴで遺伝させることができます。
これにより、目当てのポケモンと高い個体値を持つポケモンとの間でタマゴを作ることで、高い個体値を持つ目当てのポケモンを手に入れることができます。
持ち物 | 画像 | 効果 |
---|---|---|
なし | なし | 両親の計12個の個体値のうち、3個の個体値が遺伝 |
あかいいと | 両親の計12個の個体値のうち、5個の個体値が遺伝 | |
パワーウエイト | 持たせたポケモンのHPの個体値が確定で遺伝 | |
パワーリスト | 持たせたポケモンのこうげきの個体値が確定で遺伝 | |
パワーベルト | 持たせたポケモンのぼうぎょの個体値が確定で遺伝 | |
パワーレンズ | 持たせたポケモンのとくこうの個体値が確定で遺伝 | |
パワーバンド | 持たせたポケモンのとくぼうの個体値が確定で遺伝 | |
パワーアンクル | 持たせたポケモンのすばやさの個体値が確定で遺伝 |
③努力値(基礎ポイント)
努力値ってどういうイメージ?
ここまで「種族値」「個体値」を説明しましたが、これだけでは生まれつきの要素だけが能力に影響しているように見えます。
でもそんなことはないと思います。誰だって繰り返し努力をすれば、その分だけ能力は伸びるはずです。
簡単な例を見ていきましょう。
【例】 トレーニングの成果
毎日トレーニングを頑張るDさんがいます。
Dさんはランニングをしたことで、その分だけ体力が付きました。
またボクササイズをしたことで、その分だけ筋肉が付きました。
言い換えれば、Dさんはトレーニングの努力によって「HP」「攻撃力」を得た、と言えます。
このような、努力をすることで得られる能力値のことを「努力値」と呼びます。
上記の例だと、Dさんはトレーニングによって「HP」「こうげき」の努力値が上がった、といった形になります。
ポケモンのゲームにおける努力値
では先程のイメージをポケモンの世界に置き換えてみます。
先程のイメージと同様、ポケモンのゲームでは努力値が上がることでその分だけ能力値も上がります。
ちなみに、努力値はゲーム内では「基礎ポイント」と表記されています。
努力値は1つのステータスにつき最大252まで、合計510まで上げることができます。(そのため全ステータスを最大まで上げることは不可能です。)
言い換えれば、計510ものポイント枠を自由に使って好きなステータスを強化することができる、ということです。
なお、努力値を上げることを「努力値を振る」と表現することがあります。
努力値の確認方法
各ポケモンのステータス画面にて確認することができます。
努力値のグラフは濃い黄色で表示され、努力値が最大の510に達すると薄い青色に変わります。
また、最大252となっているステータスについてはキラキラ光ります。
ただし、振られている具体的な数値までは確認することはできないので、あくまでもグラフの大きさから判断してください。
作品 | 表示方法 |
---|---|
剣盾 | ステータス画面でXボタンを押す |
BDSP | ステータス画面でXボタンを押す |
SV | ステータス画面でLボタンを押す |
努力値の上げ方
・ポケモンを倒す
ポケモンを倒すことで努力値を上げることができます。
ただし、上がる量や種類は倒すポケモンによって異なります。
例えばコイキングを倒すと「すばやさ」に+1、カビゴンを倒すと「HP」に+2の努力値を得ることができます。
努力値の下げ方
以下きのみを使うことで努力値を下げることができます。
きのみ | 画像 | 効果 |
---|---|---|
ザロクのみ | HP-10 | |
ネコブのみ | こうげき-10 | |
タポルのみ | ぼうぎょ-10 | |
ロメのみ | とくこう-10 | |
ウブのみ | とくぼう-10 | |
マトマのみ | すばやさ-10 |
④性格
性格ってどう影響するの?
本記事のタイトルである「種族値」「個体値」「努力値」については解説しましたが、「性格」も非常に重要な要素なので併せて解説します。
これまでは生まれつきの要素や努力量が能力に影響すると書きましたが、「性格」も大いに能力に影響しています。
簡単な例を見ていきましょう。
【例】性格と能力の関係
体格も運動能力も経験も同じくらいである武士Eさん・Fさんがいます。2人は以下のような性格をしています。
Eさん:意地っ張りな人
Fさん:臆病な人
この2人がいざ戦場に出たとき、同じような強さを発揮するでしょうか?そんなことはないと思います。
例えばEさんは意地っ張りな性格であることから、自身の腕っぷしの強さで勝負しようとします。ただそれが故に、遠くから距離を取って戦う方法は苦手です。
またFさんは臆病な性格であることから、腕っぷしの強さで直接勝負することは苦手です。ただそれが故に、逃げ足は非常に速いです。
言い換えれば、Eさんは意地っ張りであるために「攻撃力」は高く「特殊攻撃力」は低いと言えます。
またFさんは臆病であるために「攻撃力」は低く「素早さ」は高いと言えます。
このように、例え同じくらいの実力があったとしても、性格によって発揮できる能力は大きく異なってしまいます。
上記の例だと、Eさんは「こうげき」は高いが「とくこう」は低い性格であり、Fさんは「こうげき」は低いが「すばやさ」が高い性格である、と言えます。
ポケモンのゲームにおける性格
先程のイメージと同様、ポケモンの能力値は「種族値」「個体値」「努力値」の他に「性格」が大いに影響しています。
その「性格」によって、各ステータスの上がり方・下がり方が以下のように変わります。
▲:上がる能力(通常値×1.1)
▼:下がる能力(通常値×0.9)
性格 | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ |
---|---|---|---|---|---|
さみしがり | ▲ | ▼ | |||
いじっぱり | ▲ | ▼ | |||
やんちゃ | ▲ | ▼ | |||
ゆうかん | ▲ | ▼ | |||
ずぶとい | ▼ | ▲ | |||
わんぱく | ▲ | ▼ | |||
のうてんき | ▲ | ▼ | |||
のんき | ▲ | ▼ | |||
ひかえめ | ▼ | ▲ | |||
おっとり | ▼ | ▲ | |||
うっかりや | ▲ | ▼ | |||
れいせい | ▲ | ▼ | |||
おだやか | ▼ | ▲ | |||
おとなしい | ▼ | ▲ | |||
しんちょう | ▼ | ▲ | |||
なまいき | ▲ | ▼ | |||
おくびょう | ▼ | ▲ | |||
せっかち | ▼ | ▲ | |||
ようき | ▼ | ▲ | |||
むじゃき | ▼ | ▲ | |||
てれや | |||||
がんばりや | |||||
すなお | |||||
きまぐれ | |||||
まじめ |
性格補正の変更方法
性格自体を変更することはできませんが、以下の「ミント」を使うことで性格補正(各ステータスの上がり方・下がり方)を変更することはできます。
▲:上がる能力(通常値×1.1)
▼:下がる能力(通常値×0.9)
ミント | 画像 | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ |
---|---|---|---|---|---|---|
さみしがりミント | ▲ | ▼ | ||||
いじっぱりミント | ▲ | ▼ | ||||
やんちゃミント | ▲ | ▼ | ||||
ゆうかんミント | ▲ | ▼ | ||||
ずぶといミント | ▼ | ▲ | ||||
わんぱくミント | ▲ | ▼ | ||||
のうてんきミント | ▲ | ▼ | ||||
のんきミント | ▲ | ▼ | ||||
ひかえめミント | ▼ | ▲ | ||||
おっとりミント | ▼ | ▲ | ||||
うっかりやミント | ▲ | ▼ | ||||
れいせいミント | ▲ | ▼ | ||||
おだやかミント | ▼ | ▲ | ||||
おとなしいミント | ▼ | ▲ | ||||
しんちょうミント | ▼ | ▲ | ||||
なまいきミント | ▲ | ▼ | ||||
おくびょうミント | ▼ | ▲ | ||||
せっかちミント | ▼ | ▲ | ||||
ようきミント | ▼ | ▲ | ||||
むじゃきミント | ▼ | ▲ | ||||
まじめミント |
⑤実数値
実数値って何?
いわゆる「今表示されているステータス(能力値)」です。
我々の現実世界においては、これまで解説してきた「種族値」「個体値」「努力値」「性格」によって本人の最終的な能力が決まります。
(ちゃんと考えれば他にも要素はあるかもしれませんが、ここではこれ以上考えないことにします。。。)
ポケモンのゲームにおいては、これらの要素に加え「レベル」を基に計算処理が行われ、最終的な能力値が決定します。
このような、種族値・個体値・努力値・性格・レベルといった様々な要素を基に計算して最終的に導き出される値のことを「実数値」と呼びます。
実数値の計算式
HPとそれ以外(こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさ)では計算式が異なります。
なお、計算途中で小数点以下が生じた場合はその時点で切り捨てされます。
対戦用に覚えておくべき実数値計算式 ~努力値0・252の場合~
上記の計算式は非常に複雑なので覚える必要はありません。
実際に対戦用に育成する場合は大体個体値が31(V)、レベルが50であることから、上記計算式に「個体値=31」「レベル=50」を代入した結果の式だけ覚えておけば十分です。
まず本項では「努力値0の場合」「努力値252の場合」の式を記載します。
「努力値=0」「努力値=252」を代入した結果は以下の通りです。
(なお、小数点は切り捨てて記載しています。)